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- プロ野球の契約更改について詳しく知りたい方
- 推定年俸や減額制限の意味を知りたい方
プロ野球シーズン終了後に行われる契約更改に関して、皆さんはどこまでご存じでしょうか。
この記事ではプロ野球観戦歴30年以上の筆者が、契約更改の詳しい内容や「推定年俸」「減額制限」といった言葉の意味を解説します。
また、過去の契約更改で選手が残した名言(迷言?)もご紹介します。
この記事を読めば今よりもっと契約更改に詳しくなれますよ。
契約更改とは
プロ野球シーズン終了後、選手と所属球団が翌年の契約について協議するのが「契約更改」です。
契約更改では、球団の査定係がその年の全試合における選手のプレーをポイント化し、年俸に反映させています。
査定の内容は非常に細かく、試合の勝敗や球団の経営状況にも左右されます。さらにポイントの計算方法も球団ごとに異なるので、同じような成績で年俸に差が出ることもあり得ます。
選手は年俸に納得すればサインし、納得いかなければ保留することができます。契約更改後は、サイン・保留など契約に関する記者会見を行います。
一軍選手の契約更改は基本的に11月上旬頃から始まり、特にチームの中心選手は年末近くに行われます。
以前は選手が年俸に納得いかず「銭闘」と呼ばれる激しい交渉が行われることもありましたが、近年は事前の下交渉で合意に至っているケースが多いです。
また、二軍選手はほとんど交渉の余地がなく、球団からの金額提示・選手のサイン、と流れ作業的に行われます。
推定年俸とは
契約更改後には記者会見を行いますが、自分の年俸は公表しづらいと感じる選手がほとんどでしょう。
記者会見中の選手への質疑応答から記者が推測し発表するのが「推定年俸」です。記者の方々の努力もあり、推定年俸は実際の年俸にかなり近いです。
ちなみにプロ野球以外のスポーツ選手が契約内容をマスコミへ公表したり、契約について記者会見を行うことはほとんどありません。
減額制限
選手が不調で全く成績が残せなかった場合、基本的に年俸は下がります。ただ、年俸はどこまでも下げられる訳ではありません。
契約更改では野球協約で定められた「減額制限」があります。
- 元の年俸が1億円以下は25%、元の年俸が1億円を超える場合は40%の減額制限がある
- 減額制限を超えて減俸を行う場合は、選手の同意を得る必要がある
- 選手が同意すれば、減俸された金額で契約を結ぶことができる
- 同意しなかった場合、球団は選手に対する保有権を放棄しなければならない
- 選手は自由契約となり、どの球団とも自由に契約することができる
減額制限を超えて減俸を行う場合は選手の同意を得る必要があり、同意しなかった場合は選手に対する保有権を放棄しなければならないのが大きな特徴ですね。
2020年の契約更改では、日本ハムの金子選手が年俸1億8000万円から減額制限を大幅に超える81%減の年俸3500万円(+出来高)で更改しました。
年俸調停
球団から提示された金額が減額制限内におさまっていても、選手の希望額と大きな開きがある場合は契約に至りません。
契約に至らない場合、球団と選手は「年俸調停」を申請できます。年俸調停は正式には参稼報酬調停(さんかほうしゅうちょうてい)といいます。
年俸調停を申請し、受理されると「年俸調停委員会」が構成されます。
年俸調停委員会が球団役職員・選手からそれぞれの希望年俸額および年俸額の根拠を聞き、年俸を決定します。決定された年俸は変更できず、選手が契約を拒否すると任意引退扱いとなります。
任意引退扱いの場合、選手の保有権は元の球団にあり、他球団と契約することはできません。
契約更改での名言
年に一度の契約更改、少しでもいい年俸を勝ち取るために選手も必死になります。
ここからは過去の契約更改で飛び出した選手の名言をご紹介します。
- 実は来年の5月に2人目の子どもが生まれるんです。何とかミルク代として(阪神タイガース・関本賢太郎選手)
2004年オフの契約更改で、阪神の提示額と関本選手の希望額に500万円の差があったとされており、飛び出したのが上記の一言です。
上がらない提示額に対して情に訴えましたが、残念ながら結果は変わりませんでした。
- 誠意とは言葉ではなく金額(中日ドラゴンズ・福留孝介選手)
2006年の福留選手は、打率.351(首位打者)・31本塁打・104打点と素晴らしい成績を残し、中日の優勝に大きく貢献しました。
上記の素晴らしい成績を残した福留選手が、契約更改前にマスコミの取材で語った言葉です。ただ、実際の福留選手の発言は「誠意とは言葉ではなく金額」ではなく「評価は言葉ではなく金額」だったようです。
まとめ
プロ野球の契約更改について見てきました。
契約更改では、球団と選手の駆け引きやシーズン中と異なる選手の表情など、プロ野球を別の側面から楽しむことができます。
プロ野球のお金事情や契約更改に焦点を当てた「グラゼニ」という漫画があるので、興味があればご覧ください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。