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この記事は「パリーグとセリーグ?違いがよく分からない」と思われている方に向けた内容になっています。
プロ野球を観ていてパリーグとセリーグという言葉は聞いたことがあっても、違いは分かりづらいですよね。
この記事ではプロ野球観戦歴30年以上の筆者がパリーグとセリーグのチームだけでなく、成り立ちや独自の取り組みについてもお伝えしていきます。
この記事を読めばあなたもパリーグとセリーグの違いが分かるようになりますよ。
パリーグ・セリーグの成り立ち
日本のプロ野球は最初から2リーグに分かれていた訳ではなく、元々は日本野球連盟というひとつの組織でした。
ひとつの組織であった日本野球連盟が分裂した経緯は70年程前に遡ります。
日本が戦後間もない頃、国民の数少ない娯楽としてプロ野球の人気が急上昇していました。
娯楽として、また事業としても成長するプロ野球は企業からの注目を大きく集めることとなったのです。
当時のプロ野球チームは以下の8球団です。
- 読売ジャイアンツ
- 阪急ブレーブス
- 大映スターズ
- 南海ホークス
- 中日ドラゴンズ
- 大阪タイガース
- 東急フライヤーズ
- 大陽ロビンス
1949年、複数の企業が日本野球連盟への加盟を希望する中、毎日新聞もプロ野球への参入を表明しました。
ただ読売ジャイアンツの親会社の読売新聞社はライバル紙ということもあり参入に猛反対しました。
日本野球連盟内で賛成派と反対派に分かれた結果、賛成派のパリーグ、反対派のセリーグに分裂することになったのです。
パリーグの正式名称はパシフィック・リーグで「国際的な視野に立つ」という意味が込められています。
セリーグの正式名称はセントラル・リーグで「日本プロ野球の中心」という意味が込められています。
発足当初のパリーグは以下の7球団です。
- 阪急ブレーブス(後のオリックスバファローズ)
- 南海ホークス(後の福岡ソフトバンクホークス)
- 東急フライヤーズ(後の北海道日本ハムファイターズ)
- 大映スターズ
- 毎日オリオンズ(後の千葉ロッテマリーンズ)
- 西鉄クリッパース(後の埼玉西武ライオンズ)
- 近鉄パールス(後の大阪近鉄バファローズ)
発足当初のセリーグは以下の7球団です。
- 読売ジャイアンツ
- 中日ドラゴンズ
- 松竹ロビンス
- 大阪タイガース(後の阪神タイガース)
- 大洋ホエールズ(後の横浜DeNAベイスターズ)
- 広島カープ
- 西日本パイレーツ
現在のパリーグ・セリーグ12球団です。
パリーグ | セリーグ |
福岡ソフトバンクホークス | 読売ジャイアンツ |
千葉ロッテマリーンズ | 阪神タイガース |
埼玉西武ライオンズ | 中日ドラゴンズ |
東北楽天ゴールデンイーグルス | 横浜DeNAベイスターズ |
北海道日本ハムファイターズ | 広島東洋カープ |
オリックスバファローズ | 東京ヤクルトスワローズ |
12球団の特徴については別の記事でまとめています。
→【初心者向け】プロ野球12球団のチーム名と特徴を覚えよう!
人気のセ・実力のパ
「人気のセ・実力のパ」という言葉を聞いたことはありませんか?何故このような言葉が生まれたのでしょうか。
2リーグに分裂した当初はパリーグ・セリーグの観客動員数にあまり差がない時期もありました。
しかしテレビでの巨人戦中継によるセリーグ全体の人気増加や、プロ野球関係者が八百長に関与したとされる「黒い霧事件」の影響でパリーグの観客動員数は伸び悩み人気が低下していきました。
珍プレー好プレーの番組でも観客がほとんどいないパリーグの球場がよくネタにされ、選手の知名度もセリーグの方が圧倒的に高かったのです。
当時パリーグの選手がアピールできる場所といえばオールスター・日本シリーズのみでした。
直接対決でセリーグに負けられない気持ちが強かったのでしょう。
パリーグはオールスターでの勝ち越しが特に多く「人気のセ・実力のパ」という言葉が生まれた理由と考えられています。
オールスターの対戦成績です。
パリーグ | セリーグ | |
1950年代 | 11勝 | 8勝 |
1960年代 | 17勝 | 9勝 |
1970年代 | 16勝 | 14勝 |
1980年代 | 16勝 | 12勝 |
1990年代 | 8勝 | 12勝 |
2000年代 | 7勝 | 14勝 |
2010年代 | 10勝 | 10勝 |
85勝 | 79勝 |
日本シリーズの対戦成績です。
パリーグ | セリーグ | |
1950年代 | 5勝 | 5勝 |
1960年代 | 2勝 | 8勝 |
1970年代 | 4勝 | 6勝 |
1980年代 | 5勝 | 5勝 |
1990年代 | 5勝 | 5勝 |
2000年代 | 5勝 | 5勝 |
2010年代 | 9勝 | 1勝 |
パリーグ独自の取り組み
人気面でセリーグに大きな差をつけられたパリーグは様々な独自の取り組みを行ってきました。
2シーズン制(前期後期制)
1973年から1982年まで実施されました。
130試合あった公式戦を前期と後期の65試合ずつに分けて、前期・後期それぞれの優勝チームを決めます。
そして前期と後期で優勝チームが異なる場合にプレーオフ(優勝決定戦)を行い、優勝チームを決めていました。
プレーオフ
レギュラーシーズン上位3球団で日本シリーズ出場チームを決める方式です。
2004年から始まり最初はパリーグのみで行われていました。
2007年からはセリーグでも導入され、名称も「クライマックスシリーズ」と変更されました。
指名打者(DH)
野球は守備に就いている選手が攻撃時打席に立ちますが、投手の代わりに打席に立つ攻撃専門の選手が指名打者です。
1975年から採用された指名打者のメリットとして
「野手が打席に立つ機会が増えることにより野手の成長につながる」
「投手は打席に立たないことでピッチングに専念できる」
「切れ目のない打線を相手に投げることで投手の成長につながる」
上記が挙げられます。
予告先発
試合の事前に先発投手を発表する制度です。
パリーグが先に行っており、現在は両リーグで採用されています。
マンデー・パリーグ
基本的にそれまで公式戦を行っていなかった月曜日に試合を行う取り組みです。
2001年から2005年まで実施されました。
パシフィックリーグマーケティング
2007年に設立されたパリーグ6球団の共同事業による株式会社です。
6球団の公式ウェブサイトを一括で管理したり、動画配信サービス「パリーグTV」の運営等を行っています。
まとめ
日本野球連盟が2リーグに分裂して以降、紆余曲折がありながらもパリーグとセリーグは共に歩んできました。
現在交流戦や日本シリーズの結果からリーグ間の格差が議論になっていますが、両リーグが共に繁栄し実力が拮抗してこそプロ野球の盛り上がりにつながると思います。
是非とも両リーグの歴史を感じながら、より深くプロ野球を楽しんでくださいね。
→プロ野球の交流戦を説明します!【ペナントレースとの関係は?】
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