【プロ野球】最高勝率投手タイトル歴代受賞者一覧【計算方法や獲得条件も解説】

プロ野球個人タイトルのひとつ、最高勝率投手。この記事では、歴代の最高勝率投手タイトル受賞者をご紹介します。また、勝率の計算方法や、最高勝率投手の獲得条件も解説します。

投手の勝率の計算方法

投手の勝率の計算方法は以下です。

2024年、セ・リーグの最高勝率に輝いた、菅野智之選手の勝率を計算してみましょう。2024年の菅野選手の成績は15勝3敗でした。菅野選手の成績を勝率の計算方法に当てはめると以下になります。

最高勝率投手の獲得条件

最高勝率投手の獲得条件は、13勝以上をあげることです。同じ投手タイトルの最優秀防御率のように、規定投球回に到達する必要はありません。

最高勝率投手の正式名称は「勝率第一位投手賞」

現在、最高勝率投手の正式名称は「勝率第一位投手賞」です。実は、この勝率第一位投手というタイトルは、長いプロ野球のなかで名称や選出基準が変化してきました。

1リーグ時代(1936～1949)～2リーグ制(1950～1972)

タイトル名…「最優秀勝率投手」

1973～

セ・リーグでタイトルとしての表彰対象から外れる(両リーグとも、公式記録上の最高勝率投手は選出)

2002～

パ・リーグが最高勝率投手を「最優秀投手」の名称で表彰

2013～

セ・リーグ、パ・リーグともに「勝率第一位投手賞」として表彰

歴代の最高勝率投手タイトル受賞者

1リーグ時代

規定投球回(年によっては、試合数や完投数が基準)を選考条件として掲載しています。

年度	選手	勝率
1936秋	景浦將(大阪)	1.000
1937春	沢村栄治(東京巨人軍)	.857
1937秋	御園生祟男(大阪)	1.000
1938春	御園生祟男(大阪)	.909
1938秋	スタルヒン(東京巨人軍)	.905
1939	若林忠志(大阪) ※勝率1位は御園生祟男(大阪、勝率.824)	.800
1940	須田博(東京巨人軍) ※勝率1位は三輪八郎(阪神軍、勝率.762)	.760
1941	森弘太郎(阪急軍) 勝率1位は須田博(東京巨人軍、勝率.833)	.789
1942	広瀬習一(東京巨人軍)	.778
1943	藤本英雄(東京巨人軍)	.756
1944	若林忠志(阪神軍)	.846
1946	藤本英雄(東京巨人軍)	.778
1947	御園生祟男(大阪)	.750
1948	別所昭(南海)	.722
1949	藤本英雄(巨人)	.774

※1939、1940、1941年に関しては、勝利数の制限があったと考えられます。

2リーグ制後

セ・リーグ受賞選手	勝率	年度	パ・リーグ受賞選手	勝率
大島信雄(松竹)	.833	1950	野村武史(毎日)	.818
松田清(巨人)	.885	1951	中谷信夫(南海)	.875
藤村隆男(大阪)	.806	1952	柚木進(南海)	.731
大友工(巨人) 石川克彦(名古屋)	.818	1953	大神武俊(南海)	.704
杉下茂(中日)	.727	1954	西村貞朗(西鉄)	.815
大友工(巨人)	.833	1955	中村大成(南海)	.852
堀内庄(巨人)	.778	1956	植村義信(毎日)	.792
木戸美摸(巨人)	.708	1957	稲尾和久(西鉄)	.854
藤田元司(巨人)	.690	1958	秋本祐作(阪急)	.778
藤田元司(巨人)	.711	1959	杉浦忠(南海)	.905
秋山登(大洋)	.677	1960	小野正一(毎日大映)	.750
伊藤芳明(巨人)	.684	1961	稲尾和久(西鉄)	.750
小山正明(阪神)	.711	1962	皆川睦男(南海)	.826
山中巽(中日)	.714	1963	田中勉(西鉄) 森中千香良(南海)	.680
石川緑(阪神)	.769	1964	スタンカ(南海)	.788
山中巽(中日)	.857	1965	林俊彦(南海)	.850
堀内恒夫(巨人)	.889	1966	皆川睦男(南海)	.720
堀内恒夫(巨人)	.857	1967	石井茂雄(阪急)	.692
島田源太郎(大洋)	.700	1968	村上雅則(南海)	.818
高橋一三(巨人)	.815	1969	清俊彦(近鉄)	.720
村山実(阪神)	.824	1970	佐々木宏一郎(近鉄)	.773
坂井勝二(大洋)	.692	1971	山田久志(阪急)	.786
堀内恒夫(巨人)	.743	1972	佐藤道郎(南海)	.750

セ・リーグ選手(タイトルとしての表彰なし)	勝率	年度	パ・リーグ受賞選手	勝率
倉田誠(巨人)	.667	1973	八木沢荘六(ロッテ)	.875
松本幸行(中日)	.690	1974	竹村一義(阪急)	.750
星野仙一(中日)	.773	1975	鈴木啓示(近鉄) 野村収(日本ハム)	.786
加藤初(巨人)	.789	1976	山田久志(阪急)	.788
新浦寿夫(巨人)	.786	1977	稲葉光雄(阪急)	.739
鈴木康二朗(ヤクルト)	.813	1978	山田久志(阪急)	.818
藤沢公也(中日)	.722	1979	山田久志(阪急)	.808
福士敬章(広島)	.714	1980	木田勇(日本ハム)	.733
江川卓(巨人)	.769	1981	間柴茂有(日本ハム)	1.000
都裕次郎(中日)	.762	1982	工藤幹夫(日本ハム)	.833
津田恒美(広島)	.750	1983	高橋直樹(西武)	.813
江川卓(巨人)	.750	1984	石川賢(ロッテ)	.789
北別府学(広島)	.727	1985	石本貴昭(近鉄)	.864
北別府学(広島)	.818	1986	渡辺久信(西武)	.727
川端順(広島)	.833	1987	工藤公康(西武)	.789
小野和幸(中日)	.818	1988	郭泰源(西武)	.813
西本聖(中日)	.769	1989	星野伸之(オリックス)	.714
斎藤雅樹(巨人)	.800	1990	野茂英雄(近鉄)	.692
北別府学(広島)	.733	1991	工藤公康(西武)	.842
斎藤雅樹(巨人)	.739	1992	石井丈裕(西武)	.833
山本昌広(中日)	.773	1993	工藤公康(西武)	.833
紀藤真琴(広島)	.762	1994	郭泰源(西武)	.722
石井一久(ヤクルト)	.765	1995	平井正史(オリックス)	.750
斎藤雅樹(巨人)	.800	1996	星野伸之(オリックス)	.722
三浦大輔(横浜)	.769	1997	西口文也(西武)	.750
桑田真澄(巨人)	.762	1998	黒木知宏(ロッテ)	.591
上原浩治(巨人)	.833	1999	篠原貴行(ダイエー)	.933
工藤公康(巨人)	.706	2000	小野晋吾(ロッテ)	.722
入来祐作(巨人)	.765	2001	田之上慶三郎(ダイエー)	.650

セ・リーグ選手	勝率	年度	パ・リーグ受賞選手(最優秀投手として表彰)	勝率
上原浩治(巨人)	.773	2002	パウエル(近鉄)	.630
井川慶(阪神)	.800	2003	斉藤和巳(ダイエー)	.870
上原浩治(巨人)	.722	2004	岩隈久志(近鉄)	.882
安藤優也(阪神)	.688	2005	斉藤和巳(ソフトバンク)	.941
川上憲伸(中日)	.708	2006	斉藤和巳(ソフトバンク)	.783
高橋尚成(巨人)	.778	2007	成瀬善久(ロッテ)	.941
館山昌平(ヤクルト)	.800	2008	岩隈久志(楽天)	.840
ゴンザレス(巨人)	.882	2009	ダルビッシュ有(日本ハム) 杉内俊哉(ソフトバンク)	.750
久保康友(阪神)	.737	2010	杉内俊哉(ソフトバンク)	.696
吉見一起(中日)	.857	2011	田中将大(楽天)	.792
杉内俊哉(巨人)	.750	2012	攝津正(ソフトバンク)	.773

セ・リーグ受賞選手 (勝率第一位投手賞)	勝率	年度	パ・リーグ受賞選手 (勝率第一位投手賞)	勝率
小川泰弘(ヤクルト)	.800	2013	田中将大(楽天)	1.000
山井大介(中日)	.722	2014	岸孝之(西武)	.765
マイコラス(巨人)	.813	2015	大谷翔平(日本ハム)	.750
野村祐輔(広島)	.842	2016	和田毅(ソフトバンク)	.750
薮田和樹(広島)	.833	2017	千賀滉大(ソフトバンク)	.765
大瀬良大地(広島)	.682	2018	ボルシンガー(ロッテ)	.867
山口俊(巨人)	.789	2019	山岡泰輔(オリックス)	.765
菅野智之(巨人)	.875	2020	石川柊太(ロッテ)	.786
青柳晃洋(阪神)	.684	2021	山本由伸(オリックス)	.783
青柳晃洋(阪神)	.765	2022	山本由伸(オリックス)	.750
東克樹(DeNA)	.842	2023	山本由伸(オリックス)	.727
菅野智之(巨人)	.833	2024	伊藤大海(日本ハム)	.737