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- プロ野球のマジックの点灯条件を知りたい方
- マジックに詳しくなりたい方
- そもそもマジックがよく分からない方
プロ野球のペナントレース終盤になると「優勝マジック点灯!」というニュースが目立ちますが、皆さんはマジックについてどこまでご存じでしょうか。
この記事では、野球観戦歴20年以上の筆者が、マジックの点灯条件や語源・マジックと関係のある自力優勝に関してお伝えします。
この記事を読めば今よりもっとプロ野球のマジックに詳しくなれますよ。
「マジック」と「自力優勝」
自力優勝とは
マジックの説明前に自力優勝についてお伝えします。なぜならマジックを語るうえで自力優勝は欠かせないからです。
あるチームが他チームの勝敗にかかわらず、残りの試合全てに勝利すれば優勝できる状態。「自力優勝が可能」と表現する。
逆に残りの試合全てに勝利したとしても、他チームの勝敗次第で優勝できない可能性がある場合は「自力優勝が不可能である」という。
マジックとは
あるチームが他チームの勝敗にかかわらず、あと何勝すれば優勝が決まるかという数字。
マジックはあと何勝すれば優勝が決まるかの数字で、チームにマジックがつくことを「点灯」と表現します。
マジックには、マジック点灯チームとマジック対象チームが存在します。
マジック点灯チーム以外で、残りの試合全てに勝利した場合、最も勝率が高くなるチーム
マジック点灯チーム・マジック対象チームの勝敗によってマジックは減り、マジックが0(ゼロ)になると優勝です。
「マジック=優勝へのカウントダウン」と考えればイメージしやすいのではないでしょうか。
基本的にマジック点灯チームは1位、マジック対象チームは2位のチームが多いですが、残り試合数や状況によって別の順位のチームになることもあります。
プロ野球のマジックは「マジックナンバー」や「優勝マジック」と呼ばれています。
マジックの点灯条件
マジックはある条件を満たすことで点灯します。マジックの点灯条件は以下です。
他の全チームに自力優勝の可能性がなくなった状況でマジック点灯(自力優勝の可能性が1チームになった場合に点灯する)
他の全チームに自力優勝の可能性がなくなるとマジックが点灯しますが、点灯したマジックが消滅することもあります。
マジックが消滅するのは、マジック点灯チーム以外に自力優勝の可能性が復活した場合です。
代表的な例としてマジック点灯チームが連敗し他チームが連勝すると、他チームに自力優勝が復活する可能性があります。
またマジック点灯とはあくまで「他の全チームに自力優勝の可能性がなくなった状況」であり、優勝の可能性がなくなった訳ではないことも覚えておきましょう。
マジックの計算方法
マジックナンバーの計算方法をご紹介します。
残り試合数-マジック対象チームとの残り試合数(ただし、ゲーム差>直接対決の残り試合数)
以下の例を見てみましょう。
- 残り試合数…20試合
- マジック対象チームとの残り試合数…5試合
- ゲーム差…5
翌日の試合で自チームが勝ち、他球場でマジック対象チームが負けた場合、
- 残り試合数…20試合→19試合
- マジック対象チームとの残り試合数…5試合→5試合
- ゲーム差…5→6
上記のように変わります。
変わった数字をマジックナンバーの計算方法に当てはめると、
- 残り試合数-マジック対象チームとの残り試合数→19-5=14
- ゲーム差>直接対決の残り試合数→6>5が成り立つ
となり、マジック14が点灯します。
マジックの減り方
マジックの基本的な減り方をお伝えします。
- マジック点灯チームが勝利→1減る
- マジック対象チームが敗北→1減る
- マジック点灯チームが引き分け→減るときと減らないときがある(1か0)
- マジック対象チームが引き分け→減るときと減らないときがある(1か0)
同じ日にマジック点灯チームが勝ち、対象チームが負けるとマジックは2減ります(1+1=2)。
引き分けはマジックが減るときと減らないときがあり複雑ですが、まずは上記の減り方を覚えておけば問題ないでしょう。
マジックの特殊な減り方
ここからは過去に起きたマジックの特殊な減り方を見てみましょう。
直接対決で勝ったのに1しか減らなかったケース
マジック対象チームとの直接対決でマジック点灯チームが勝つとマジックは2減りますが、1しか減らなかったケースがあります。
2003年7月23日、マジック39が点灯していた阪神がマジック対象チームのヤクルトに勝利しました。
本来ならマジックが2減り37となる所ですが、同じ日の横浜戦に勝利した中日がマジック対象チームに変わったため、マジックは1しか減らず38となりました。
2003年7月23日終了時点(当時は140試合制)
- 阪神…62勝23敗1分け(残り54試合)
- ヤクルト…44勝41敗(残り55試合)
- 中日…44勝40敗(残り56試合)
阪神が残り54試合で37勝すれば99勝40敗1分け(勝率.712)となり、ヤクルトが残り55試合に全勝した場合の99勝41敗(勝率.707)を上回る
ただし中日が残り56試合に全勝すると100勝40敗(勝率.714)となり阪神を上回る→マジック対象チームはヤクルトから中日へ
※マジック対象チーム…マジック点灯チーム以外で、残りの試合に全勝した場合、最も勝率が高くなるチーム
阪神が残り54試合で38勝すれば100勝39敗1分け(勝率.719)となり、中日が残り56試合に全勝した場合を上回る→マジック38
3つのチームが関わっているケースで、マジック対象チームの変更を含めてかなりややこしい内容ですね。
マジックが一度に3減ったケース
2013年9月11日、マジック18が点灯していた楽天がマジック対象チームのロッテに勝利したことで起こったケースです。
まず楽天の勝利とロッテの敗北でマジックが2減りました。
さらに1減ったのは、楽天がロッテとの対戦成績を13勝8敗として、シーズンにおける直接対決の勝ち越しを決めたからです。
パリーグの順位の決め方は勝率が並んだ場合、直接対決で勝ち越しているチームが上位となる
楽天がロッテ戦勝ち越しを決めたことで、ロッテより上位になるためには、ロッテの勝率に並べばよくなり上回る必要がなくなった
ロッテより上位になるために必要な勝利数がさらに1減ることになる→マジックがさらに1減る
勝率が並んだ場合の順位の決め方によって、マジックが3減った珍しいケースですね。
マジックナンバーの語源
なぜマジックナンバーというのか不思議ですよね。
マジックナンバーの語源はビンゴゲームだと言われています。
ビンゴゲームのリーチ状態のときに、ビンゴ完成に必要な番号を「マジックナンバー」と呼ぶのが語源とされています。
マジックナンバーの歴史は思いのほか古く、野球では1947年には使われていたそうですよ。
まとめ
プロ野球のマジックについて見てきました。
ペナントレース終盤にマジック点灯チームが出てくると、優勝が近付く感じがしてワクワクしますよね。
マジックは複雑な部分もあり、難しいと感じるかもしれませんが「優勝へのカウントダウン」と思って気楽に見てみましょう。
マジックの点灯条件や計算方法など、分からなければいつでもこの記事を読んでくださいね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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