- ドラフト会議で1位指名選手を事前公表するメリットを知りたい
- 指名選手を事前公表するデメリットは?
- 近年で1位指名を事前公表した球団と指名選手を教えて
プロ野球のドラフト会議前に話題となるのが、各球団の1位指名選手の事前公表。しかし、なぜわざわざ1位指名を事前公表するのか、事前公表のメリットやデメリットを知りたい人は多いです。
筆者はプロ野球を30年以上観てきました。ドラフト会議も毎年楽しんでいます。
そこでこの記事では、ドラフト会議で1位指名選手を事前公表するメリットとデメリットを解説します。また、2024年度ドラフト会議で、1位指名を事前公表した球団と選手もご紹介します。
この記事を読めば、ドラフト会議で1位指名選手を事前公表するメリットとデメリットが分かり、今以上にドラフト会議を楽しめます。
以下の記事では「ドラフト会議」や「ドラフトのおすすめ雑誌」、「12球団ポジション別の選手人数」を詳しくまとめています。
ドラフト会議で1位指名選手を事前公表するメリット
- 他球団を牽制し、競合数を減らす
- 指名選手への誠意を示す
他球団を牽制し、競合数を減らす
他球団を牽制し、競合数を減らすのが、1位指名を事前公表するメリットです。
ドラフト会議では1位指名選手が重複すると、くじ引きによる抽選が行われます。しかし、基本的にどのチームも抽選は望んでいません。指名した選手を一本釣りしたいと考えています。また、仮に抽選になったとしても、競合数が少なければ、抽選に当たる可能性は高くなります。
評価が同程度のA選手、B選手がいた場合、A選手の1位指名を事前公表しておけば、競合を避けたい他球団が、B選手を指名する可能性が。結果的に、A選手の一本釣りや、競合数を減らすことにつながります。
1位指名を事前公表することで、他球団への牽制に加えて、ドラフト会議前にアドバンテージを取れます。
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指名選手への誠意を示す
1位指名選手を事前公表するメリットとして、指名選手への誠意があります。
指名候補選手は、本当にドラフト指名されるのか不安な気持ちを抱えた状態で、ドラフト会議当日を迎えます。1位指名が確実といわれる有力選手も例外ではありません。
1位指名を事前公表することで、不安を抱える選手に対して、球団の誠意を示す形になります。
1位指名の事前公表は、球団の誠意につながります。さらには、指名選手に対する、球団としての最大級の評価を伝えることもできます。
ドラフト会議で1位指名選手を事前公表するデメリット
- 指名選手が故障する可能性がある
- 他の選手が急成長しても1位指名できない
指名選手が故障する可能性がある
事前公表のデメリットとして、指名選手の故障があります。
野球選手である以上、常に故障のリスクがつきまといます。試合中だけでなく、練習で思わぬ怪我をすることも。1位指名選手の事前公表後、選手が故障する可能性ももちろんあります。
事前公表後に選手が故障しても、指名選手の変更はできません。万が一、事前公表した選手と異なる選手を指名した場合、球団の信用を失います。さらに、選手の所属先の学校や企業との関係性も悪化します。
過去の例を見ても、事前公表した選手と実際に指名した選手が異なることはありませんでした。
他の選手が急成長しても1位指名できない
事前公表後、急成長した他の選手を1位指名できないのもデメリット。
指名候補選手のなかには、ドラフト会議前に急成長し、評価が上昇する選手がいます。事前公表した場合、急成長した選手を獲得したいと考えても、1位指名できません。他球団に指名されて、急成長した選手を逃すことになります。
事前公表後に急成長した選手を1位指名できないのがデメリットです。
2024年、1位指名を事前公表した球団と選手一覧
事前公表した球団 | 公表された選手 | 所属 | 公表日 |
広島東洋カープ | 宗山塁(内野手) | 明治大学 | 10月11日(金) |
近年、1位指名を事前公表した球団と指名選手一覧
近年の1位指名を事前公表した球団と、指名された選手をご紹介します。
2016年度
事前公表した球団 | 公表された選手 | 所属 | 結果 |
広島東洋カープ | 田中正義(投手) | 創価大学 | 競合し、抽選に外れる |
読売ジャイアンツ | 田中正義(投手) | 創価大学 | 競合し、抽選に外れる |
千葉ロッテマリーンズ | 田中正義(投手) | 創価大学 | 競合し、抽選に外れる |
→【2010年代】歴代のドラフト1位指名選手一覧【プロ野球12球団】
2017年度
事前公表した球団 | 公表された選手 | 所属 | 結果 |
広島東洋カープ | 中村奨成(捕手) | 広陵高 | 競合し、抽選の結果、契約交渉権を獲得 |
福岡ソフトバンクホークス | 清宮幸太郎(内野手) | 早稲田実業高 | 競合し、抽選に外れる |
阪神タイガース | 清宮幸太郎(内野手) | 早稲田実業高 | 競合し、抽選に外れる |
埼玉西武ライオンズ | 田嶋大樹(投手) | JR東日本 | 競合し、抽選に外れる |
オリックス・バファローズ | 田嶋大樹(投手) | JR東日本 | 競合し、抽選の結果、契約交渉権を獲得 |
東京ヤクルトスワローズ | 清宮幸太郎(内野手) | 早稲田実業高 | 競合し、抽選に外れる |
2018年度
事前公表した球団 | 公表された選手 | 所属 | 結果 |
東京ヤクルトスワローズ | 根尾昂(内野手) | 大阪桐蔭高 | 競合し、抽選に外れる |
福岡ソフトバンクホークス | 小園海斗(内野手) | 報徳学園高 | 競合し、抽選に外れる |
読売ジャイアンツ | 根尾昂(内野手) | 大阪桐蔭高 | 競合し、抽選に外れる |
オリックス・バファローズ | 小園海斗(内野手) | 報徳学園高 | 競合し、抽選に外れる |
中日ドラゴンズ | 根尾昂(内野手) | 大阪桐蔭高 | 競合し、抽選の結果、契約交渉権を獲得 |
千葉ロッテマリーンズ | 藤原恭大(外野手) | 大阪桐蔭高 | 競合し、抽選の結果、契約交渉権を獲得 |
2019年度
事前公表した球団 | 公表された選手 | 所属 | 結果 |
埼玉西武ライオンズ | 佐々木朗希(投手) | 大船渡高 | 競合し、抽選に外れる |
千葉ロッテマリーンズ | 佐々木朗希(投手) | 大船渡高 | 競合し、抽選の結果、契約交渉権を獲得 |
広島東洋カープ | 森下暢仁(投手) | 明治大学 | 単独指名 |
北海道日本ハムファイターズ | 佐々木朗希(投手) | 大船渡高 | 競合し、抽選に外れる |
中日ドラゴンズ | 石川昂弥(内野手) | 東邦高 | 競合し、抽選の結果、契約交渉権を獲得 |
東京ヤクルトスワローズ | 奥川恭伸(投手) | 星稜高 | 競合し、抽選の結果、契約交渉権を獲得 |
2020年度
事前公表した球団 | 公表された選手 | 所属 | 結果 |
読売ジャイアンツ | 佐藤輝明(内野手) | 近畿大学 | 競合し、抽選に外れる |
福岡ソフトバンクホークス | 佐藤輝明(内野手) | 近畿大学 | 競合し、抽選に外れる |
中日ドラゴンズ | 髙橋宏斗(投手) | 中京大学附属中京高 | 単独指名 |
千葉ロッテマリーンズ | 早川隆久(投手) | 早稲田大学 | 競合し、抽選に外れる |
北海道日本ハムファイターズ | 伊藤大海(投手) | 苫小牧駒澤大学 | 単独指名 |
東京ヤクルトスワローズ | 早川隆久(投手) | 早稲田大学 | 競合し、抽選に外れる |
オリックス・バファローズ | 佐藤輝明(内野手) | 近畿大学 | 競合し、抽選に外れる |
→【2020年代】歴代のドラフト1位指名選手一覧【プロ野球12球団】
2021年度
事前公表した球団 | 公表された選手 | 所属 | 結果 |
福岡ソフトバンクホークス | 風間球打(投手) | ノースアジア大学明桜高 | 単独指名 |
埼玉西武ライオンズ | 隅田知一郎(投手) | 西日本工業大学 | 競合し、抽選の結果、契約交渉権を獲得 |
2022年度
事前公表した球団 | 公表された選手 | 所属 | 結果 |
東京ヤクルトスワローズ | 吉村貢司郎(投手) | 東芝 | 単独指名 |
オリックス・バファローズ | 曽谷龍平(投手) | 白鷗大学 | 単独指名 |
福岡ソフトバンクホークス | イヒネイツア(内野手) | 誉高 | 単独指名 |
埼玉西武ライオンズ | 蛭間拓哉(外野手) | 早稲田大学 | 単独指名 |
読売ジャイアンツ | 浅野翔吾(外野手) | 高松商業高 | 競合し、抽選の結果、契約交渉権を獲得 |
東北楽天ゴールデンイーグルス | 荘司康誠(投手) | 立教大学 | 競合し、抽選の結果、契約交渉権を獲得 |
広島東洋カープ | 斉藤優汰(投手) | 苫小牧中央高 | 単独指名 |
中日ドラゴンズ | 仲地礼亜(投手) | 沖縄大学 | 単独指名 |
北海道日本ハムファイターズ | 矢澤宏太(投手) | 日本体育大学 | 単独指名 |
2023年度
事前公表した球団 | 公表された選手 | 所属 | 結果 |
広島東洋カープ | 常廣羽也斗(投手) | 青山学院大学 | 競合し、抽選の結果、契約交渉権を獲得 |
福岡ソフトバンクホークス | 武内夏暉(投手) | 國學院大學 | 競合し、抽選に外れる |
埼玉西武ライオンズ | 武内夏暉(投手) | 國學院大學 | 競合し、抽選の結果、契約交渉権を獲得 |
中日ドラゴンズ | 度会隆輝(外野手) | ENEOS | 競合し、抽選に外れる |
まとめ
ドラフト会議で1位指名選手を事前公表するメリット
- 他球団を牽制し、競合数を減らす
- 指名選手への誠意を示す
ドラフト会議で1位指名選手を事前公表するデメリット
- 指名選手が故障する可能性がある
- 他の選手が急成長しても1位指名できない
近年のドラフト会議では、1位指名の事前公表が当たり前になってきました。事前公表にも注目して、ドラフト会議を楽しみましょう!
以下の表では、球団や年代ごとにドラフト指名選手をまとめています(ブログ内の別記事にジャンプします)。