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ドラフト会議の外れ1位とは?意味を解説「大当たり選手」の活躍も紹介【プロ野球】

村上宗隆
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  • ドラフト会議の外れ1位について知りたい
  • 外れ1位で活躍した選手は?
  • 現役で活躍している外れ1位選手を教えて!

プロ野球のドラフト会議でよく使われる「外れ1位」という言葉。この記事では、外れ1位の意味を解説します。また、過去に活躍した外れ1位選手や、現役で活躍している選手もご紹介します

ドラフト会議の外れ1位とは「競合選手のくじを外した球団が、代わりに指名する選手」

ドラフト会議の外れ1位とは「競合選手のくじを外した球団が、競合選手の代わりに指名する選手」。

もう少し詳しく解説します。ドラフト会議の1巡目は「入札抽選制」です。

入札抽選制

  1. 12球団が一斉に選手を指名
  2. 指名選手が他球団と重複しなかった場合は、指名選手との契約交渉権を獲得(単独指名や一本釣りと呼ぶ)
  3. 指名選手が他球団と重複し、競合となった場合は、くじ引きによる抽選を行う
  4. くじを外した球団は再度選手を指名→再度指名された選手を外れ1位選手と呼ぶ
  5. 指名選手が再度重複した場合も抽選を行い、12球団の1位指名選手が決まるまで入札抽選を繰り返す

具体例を挙げて、見てみましょう。

2022年ドラフト会議で、巨人と阪神が浅野翔吾選手(高松商業高)を1位指名。抽選の結果、巨人が契約交渉権を獲得します。

浅野選手の抽選を外した阪神は、外れ1位で森下翔太選手(中央大学)を指名しました

競合選手のくじを外した球団が、再度指名する外れ1位選手。球団によっては、1回だけではなく、2回以上くじを外す場合があります。2回くじを外して指名した選手を「外れ外れ1位」、3回くじを外して指名した選手を「外れ外れ外れ1位」と呼びます

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外れ1位の大当たり選手

ここからは、外れ1位の大当たり選手をご紹介します。

  • 斎藤雅樹
  • 佐々木主浩
  • 坂本勇人
  • 山田哲人
  • 村上宗隆
  • 近本光司
  • 宮城大弥

斎藤雅樹

外れ1位の大当たり選手1人目は、「ミスター完投」こと斎藤雅樹投手です。

1982年のドラフト会議、巨人とヤクルトが指名したのは、甲子園5大会連続出場の実績を誇る「甲子園のアイドル」荒木大輔投手(早稲田実業高)。大ちゃんフィーバーを巻き起こした目玉選手でした。

抽選の結果、ヤクルトが荒木投手の契約交渉権を獲得。抽選を外した巨人が斎藤投手を指名します。甲子園5回出場の荒木投手に対して、市立川口高の斎藤投手は甲子園大会への出場経験なし。

プロ入り後、斎藤投手は当時の藤田元司監督のアドバイスで、オーバースローからサイドスローへ転向。1985年に12勝を挙げると、1989年には20勝をマーク、最多勝と最優秀防御率に輝き、沢村賞も受賞します

1990年も20勝を挙げて、2年連続20勝を記録。以降も巨人のエースとして君臨し、1993年から1997年まで5年連続で開幕投手を務めました。

サイドスローから投げ込む145キロ前後の威力ある直球、鋭いカーブ、シンカーを武器にした投球スタイルで、通算180勝をマークした斎藤投手。外れ1位から球界のエースにまで成長しました。

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佐々木主浩

「ハマの大魔神」佐々木主浩投手も大当たりの外れ1位選手です。

1989年ドラフト会議の大注目は、トルネード投法の野茂英雄投手(新日本製鐵堺)。野茂投手を指名したのは、ロッテ、大洋、日本ハム、阪神、ダイエー、ヤクルト、オリックス、近鉄。なんと8球団が野茂投手を指名しました。

8球団競合の末、契約交渉権を獲得したのは近鉄。野茂投手の抽選を外した大洋は、外れ1位で東北福祉大学の佐々木投手を指名しました

入団当初、先発・抑え両方を経験した佐々木投手。1992年から本格的に抑えとして起用されます。1998年には、防御率0.64という抜群の安定感で、45セーブをマーク。38年ぶりの横浜優勝に大きく貢献しました。

2000年以降はメジャーでも活躍、最速154キロのストレートとフォークを武器に、日米通算381セーブを記録。フォークの落差があまりにも大きく「2階からのフォーク」と形容されるほどでした。

モトマサ

外れ1位で入団した佐々木投手。2014年には、野茂投手とともに野球殿堂入りしました。

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坂本勇人

坂本勇人選手も大当たりの外れ1位選手です。

2006年の高校生ドラフト、巨人は「尾張のプリンス」堂上直倫選手(愛工大名電)を指名。しかし、抽選を外し、外れ1位で光星学院高の坂本選手を指名しました。

2008年、巨人ではあの松井秀喜選手以来となる、10代での開幕スタメンを果たします。さらにプロ初ホームランが満塁弾という衝撃のデビューを飾りました。高卒2年目ながら、全試合にスタメン出場。ショートのレギュラーとして、打率.257、8本塁打、43打点の成績を残しました

翌年の2009年には、打率.306をマーク。以降も毎年コンスタントにヒットを重ね、2020年には2000本安打を達成しました。

ショートとして、ベストナイン7回、ゴールデングラブ賞5回の輝かしい実績を誇る坂本選手。2023年シーズン途中から守っているサードでも、華麗な守備を見せています。

山田哲人

次にご紹介するのは、「ミスター・トリプルスリー」山田哲人選手。

2010年のドラフト会議、ヤクルトは4球団競合の斎藤佑樹投手(早稲田大学)のくじを外します。さらに、外れ1位で指名した塩見貴洋投手(八戸大学)のくじも外して、指名したのが履正社高の山田選手。外れ1位ではなく、外れ外れ1位での指名です

プロ1年目の2011年、ペナントレースでの公式戦出場は果たせませんでしたが、クライマックスシリーズ・ファイナルステージ第2戦の中日戦で先発出場します。

山田選手が大きく飛躍したのは2014年。打率.324、29本塁打、89打点の好成績、193安打を放ち、最多安打のタイトルを獲得しました。

翌年の2015年はさらに成績を伸ばします。打率.329、38本塁打、100打点、34盗塁の成績でトリプルスリーを達成、本塁打王、盗塁王、最高出塁率も獲得しました

2016年、2018年にもトリプルスリーを記録した山田選手。プロ野球の歴史上、トリプルスリーを複数回達成したのは山田選手のみです

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村上宗隆

続いての大当たり外れ1位選手は、村上宗隆選手です。

2017年ドラフト会議で大注目だったのは、高校通算111本塁打の清宮幸太郎選手(早稲田実業高)。ソフトバンクや阪神、ヤクルトが清宮選手の指名を事前公表し、最終的に7球団競合となりました。抽選の結果、日本ハムが契約交渉権を獲得。

ヤクルト、巨人、楽天が、外れ1位で九州学院高の村上選手を指名し、ヤクルトがくじを引き当てました

1年目の2018年は9月に一軍デビューし、プロ初打席で初ホームランを記録します。

2019年は開幕戦先発出場を果たした村上選手。シーズン全143試合に出場し、36本塁打、96打点の成績で新人王を受賞しました

2021年には39本塁打で本塁打王に輝き、ヤクルトのリーグ優勝、日本一に大きく貢献。

圧巻だったのは2022年、日本プロ野球史上初の5打席連続本塁打を記録するなど、ハイペースでホームランを量産します。最終的に日本人選手最多となる56本塁打を放ち、2年連続で本塁打王を獲得。さらに、打率.318、134打点で首位打者、打点王にも輝き、令和初の三冠王を達成しました

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近本光司

近本光司選手も外れ1位の大当たり選手。

2018年のドラフト会議、阪神は藤原恭大選手(大阪桐蔭高)を指名しますが、3球団競合の末、抽選を外します。さらに外れ1位で指名した辰己涼介選手(立命館大学)の抽選も外した結果、外れ外れ1位で大阪ガス近本選手を指名しました

1年目の2019年、開幕戦で「2番・センター」として先発出場を果たします。

オールスターにもファン投票で選ばれると、甲子園での第2戦で「1番・センター」として先発出場。史上初となる新人による先頭打者ホームランを放ち、さらにサイクル安打まで達成、MVPに選ばれました

シーズン成績は、打率.271、9本塁打、42打点、36盗塁で、盗塁王のタイトルを獲得します。

2020年には31盗塁で2年連続の盗塁王、2021年には178安打で最多安打、ベストナインとゴールデングラブ賞も受賞しました。

2023年は、打率.285、8本塁打、54打点、28盗塁で、18年ぶりの阪神のリーグ優勝に大きく貢献。オリックスとの日本シリーズ「関西ダービー」では、打率.483という素晴らしい活躍でMVPに輝き、38年ぶり日本一の大きな原動力となりました

モトマサ

走攻守三拍子そろった、まさに理想的なリードオフマンといえるでしょう。

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宮城大弥

最後にご紹介する大当たり外れ1位は、宮城大弥投手。

2019年のドラフト会議、オリックスは3球団競合の石川昂弥選手(東邦高)のくじを外します。外れ1位で指名した河野竜生投手(JFE西日本)のくじも外して、外れ外れ1位で指名したのが、興南高の宮城投手でした

1年目の2020年、シーズン終盤に一軍デビュー。11月の北海道日本ハム戦ではプロ初勝利を挙げました。

翌年の2021年には開幕ローテーション入りを果たし、シーズンを通して好投を続けます。結果的に13勝4敗、防御率2.51という素晴らしい成績で、オリックス25年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献しました

2022年は、プロ初の完封勝利を含む11勝をマーク。日本シリーズでは、第3戦と第7戦に先発。第7戦で5回無失点と好投し、26年ぶり日本一の原動力となりました。

モトマサ

オリックスのエースとして、今後さらなる飛躍が期待されます。

まとめ

ドラフト会議の外れ1位とは「競合選手のくじを外した球団が、競合選手の代わりに指名する選手」

これまで多くの外れ1位選手が、球史にその名を刻んできました。外れ1位選手にも注目して、ドラフト会議をより楽しみましょう。

以下の表では、球団や年代ごとにドラフト指名選手をまとめています(ブログ内の別記事にジャンプします)

チーム2020年代2010年代
巨人【2020年代】巨人のドラフト指名選手一覧【2010年代】巨人のドラフト指名選手一覧
広島【2020年代】広島のドラフト指名選手一覧【2010年代】広島のドラフト指名選手一覧
阪神【2020年代】阪神のドラフト指名選手一覧【2010年代】阪神のドラフト指名選手一覧
DeNA【2020年代】DeNAのドラフト指名選手一覧【2010年代】DeNAのドラフト指名選手一覧
ヤクルト【2020年代】ヤクルトのドラフト指名選手一覧【2010年代】ヤクルトのドラフト指名選手一覧
中日【2020年代】中日のドラフト指名選手一覧【2010年代】中日のドラフト指名選手一覧
ソフトバンク【2020年代】ソフトバンクのドラフト指名選手一覧【2010年代】ソフトバンクのドラフト指名選手一覧
ロッテ【2020年代】ロッテのドラフト指名選手一覧【2010年代】ロッテのドラフト指名選手一覧
日本ハム【2020年代】日本ハムのドラフト指名選手一覧【2010年代】日本ハムのドラフト指名選手一覧
楽天【2020年代】楽天のドラフト指名選手一覧【2010年代】楽天のドラフト指名選手一覧
オリックス【2020年代】オリックスのドラフト指名選手一覧【2010年代】オリックスのドラフト指名選手一覧
西武【2020年代】西武のドラフト指名選手一覧【2010年代】西武のドラフト指名選手一覧