- オープン戦の成績は本当にあてにならないの?
- オープン戦で活躍した選手のシーズン成績を知りたい
- 3位の呪いについて教えて!
プロ野球では「オープン戦の結果はあてにならない」とよくいわれます。実際、オープン戦とシーズン成績がどれだけ関係するのか、知りたい人は多いです。
筆者はプロ野球を30年以上観てきました。オープン戦の順位や成績も毎年チェックしています。
そこでこの記事では、オープン戦とシーズンの順位や成績を比較して、どの程度の関係性があるのかご紹介します。また「オープン戦3位の呪い」についても解説します。
この記事を読めば、オープン戦はシーズン成績にどの程度影響があるのかが分かります。
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オープン戦の順位や成績はシーズンに影響する?
オープン戦首位チームのシーズン順位
オープン戦首位チームのシーズン順位を見てみましょう(過去10年分)。
※2020年は新型コロナウイルスの影響でシーズン開幕が大幅に遅れました。開幕前に行われた練習試合の首位チームを記載しています。
年度 | オープン戦首位チーム | シーズン順位 |
2015年 | 福岡ソフトバンクホークス | 1位 |
2016年 | 阪神タイガース | 4位 |
2017年 | 千葉ロッテマリーンズ | 6位 |
2018年 | 読売ジャイアンツ | 3位 |
2019年 | 広島東洋カープ | 4位 |
2020年 | 埼玉西武ライオンズ(練習試合首位) | 3位 |
2021年 | 阪神タイガース | 2位 |
2022年 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 4位 |
2023年 | オリックス・バファローズ | 1位 |
2024年 | 中日ドラゴンズ | 6位 |
2024年 | 福岡ソフトバンクホークス | 1位 |
11チーム中、6チームがAクラス入り。また、Aクラス入りした6チーム中、3チームがリーグ優勝しています。
→【プロ野球】順位の決め方とは?セリーグとパリーグで決め方に違いが!
→【プロ野球】日本一回数ランキング【最多のチームは?優勝回数も紹介】
オープン戦最下位チームのシーズン順位
オープン戦最下位チームのシーズン順位は以下です(過去10年分)。
※2020年は練習試合の最下位チームを記載しています。
年度 | オープン戦最下位チーム | シーズン順位 |
2015年 | 広島東洋カープ | 4位 |
2016年 | 横浜DeNAベイスターズ | 3位 |
2016年 | 中日ドラゴンズ | 6位 |
2016年 | オリックス・バファローズ | 6位 |
2017年 | 読売ジャイアンツ | 4位 |
2018年 | 阪神タイガース | 6位 |
2019年 | 北海道日本ハムファイターズ | 5位 |
2020年 | 東京ヤクルトスワローズ(練習試合最下位) | 6位 |
2021年 | 東京ヤクルトスワローズ | 1位 |
2022年 | 東京ヤクルトスワローズ | 1位 |
2022年 | 読売ジャイアンツ | 4位 |
2023年 | 広島東洋カープ | 2位 |
2024年 | 阪神タイガース | 2位 |
オープン戦最下位チームがAクラス入りしたのは、13チーム中、5チームです。特徴的なのが、2021年以降のオープン戦最下位チームは4年連続でAクラス入りしている点です。
2021・2022年の東京ヤクルトは、2年連続オープン戦で最下位にもかかわらず、リーグ二連覇を果たしています。
オープン戦首位打者のシーズン成績

オープン戦で首位打者だった選手のシーズン成績はどうなっているのでしょうか。
※2020年はオープン戦終了後、3ヶ月遅れてシーズン開幕
年度 | オープン戦首位打者 | オープン戦成績 | シーズン成績 |
2015年 | 秋山翔吾(埼玉西武ライオンズ) | 打率.459 0本塁打 8打点 | 打率.359 14本塁打 55打点 |
2016年 | 鈴木大地(千葉ロッテマリーンズ) | 打率.400 1本塁打 9打点 | 打率.285 6本塁打 61打点 |
2016年 | 坂田遼(埼玉西武ライオンズ) | 打率.400 1本塁打 9打点 | 打率.245 3本塁打 26打点 |
2017年 | シリアコ(横浜DeNAベイスターズ) | 打率.375 1本塁打 6打点 | 打率.074 0本塁打 0打点 |
2018年 | 内田靖人(東北楽天ゴールデンイーグルス) | 打率.386 4本塁打 12打点 | 打率.198 12本塁打 25打点 |
2019年 | 楠本泰史(横浜DeNAベイスターズ) | 打率.388 2本塁打 7打点 | 打率.208 1本塁打 6打点 |
2020年 | 大山悠輔(阪神タイガース) | 打率.378 3本塁打 6打点 | 打率.288 28本塁打 85打点 |
2021年 | 島内宏明(東北楽天ゴールデンイーグルス) | 打率.400 1本塁打 9打点 | 打率.257 21本塁打 96打点 |
2022年 | 髙部瑛斗(千葉ロッテマリーンズ) | 打率.393 0本塁打 3打点 | 打率.274 3本塁打 38打点 44盗塁 |
2023年 | 栗原陵矢(福岡ソフトバンクホークス) | 打率.415 4本塁打 11打点 | 打率.239 13本塁打 49打点 |
2024年 | 度会隆輝(横浜DeNAベイスターズ) | 打率.434 0本塁打 3打点 | 打率.255 3本塁打 24打点 |
オープン戦首位打者で、シーズン成績も及第点以上の選手は約半分。秋山選手・鈴木大地選手・島内選手などは前年までの実績があり、シーズンも安定した成績を残しています。
一方で、オープン戦首位打者でも、実績の少ない選手がシーズンで結果を出すのは難しいです。
→【野球の打率とは?】計算方法を分かりやすく解説【エラーや四球の扱いはどうなる?】
オープン戦防御率1位のシーズン成績

オープン戦で防御率1位の選手・シーズン成績は以下です。
※2020年はオープン戦終了後、3ヶ月遅れてシーズン開幕
年度 | オープン戦防御率1位 | オープン戦成績 | シーズン成績 |
2015年 | 野上亮磨(埼玉西武ライオンズ) | 防御率0.82 0勝1敗 | 防御率4.22 7勝7敗 |
2016年 | 和田毅(福岡ソフトバンクホークス) | 防御率0.00 1勝0敗 | 防御率3.04 15勝5敗 |
2017年 | 田口麗斗(読売ジャイアンツ) | 防御率0.90 1勝0敗 | 防御率3.01 13勝4敗 |
2018年 | 西勇輝(オリックス・バファローズ) | 防御率0.49 1勝0敗 | 防御率3.60 10勝13敗 |
2019年 | 東明大貴(オリックス・バファローズ) | 防御率0.96 2勝0敗 | 防御率7.11 1勝1敗 |
2020年 | 種市篤暉(千葉ロッテマリーンズ) | 防御率1.00 0勝0敗 | 防御率3.47 3勝2敗 |
2021年 | 二木康太(千葉ロッテマリーンズ) | 防御率0.00 3勝0敗 | 防御率4.38 5勝7敗 |
2021年 | 大瀬良大地(広島東洋カープ) | 防御率0.00 1勝0敗 | 防御率3.07 10勝5敗 |
2022年 | 柳裕也(中日ドラゴンズ) | 防御率1.06 3勝0敗 | 防御率3.64 9勝11敗 |
2023年 | 平良海馬(埼玉西武ライオンズ) | 防御率0.00 1勝0敗 | 防御率2.40 11勝7敗 |
2024年 | 吉村貢司郎(東京ヤクルトスワローズ) | 防御率1.35 2勝1敗 | 防御率3.19 9勝8敗 |
オープン戦防御率1位で、シーズン成績も及第点の選手は11人中7人です。
和田選手や西選手、大瀬良選手など、実績豊富な選手がオープン戦・シーズンともに安定しているのは打者と同じです。
→野球の防御率とは?意味と計算方法を解説【最優秀防御率や歴代ランキングも紹介】
オープン戦とシーズンが結び付かない4つの要因
オープン戦とシーズンの成績がなぜ結び付かないのか、4つの要因があります。
- 配球の違い
- シーズンとは異なる選手起用
- 主力選手にとって調整の場
- 試合数の少なさ
配球の違い
オープン戦とシーズンが結び付かない要因として「配球の違い」が挙げられます。
オープン戦では、あえて打者の得意コースに投げる場合があります。得意コースに投げる理由は、打者の情報取集。特に新外国人や新人選手に対してよく行われます。
シーズンに入ると配球が変わり、得意コースには投げてきません。逆に弱点を攻められるので、オープン戦では好成績でもシーズンで打てなくなります。
2025年のオープン戦は、新人王候補のルーキー・宗山塁選手(楽天)や西川史礁選手(ロッテ)が前評判通りの活躍を見せています。シーズンに入ってどのような成績を残すのか注目です。
→プロ野球の新人王とは?資格や条件、選び方を解説!歴代受賞者も紹介
→プロ野球のドラフト会議とは?仕組みやルールをわかりやすく解説
シーズンとは異なる選手起用
「シーズンとは異なる選手起用」も要因のひとつ。
オープン戦は「投手のイニング数や投げる順番」「打者の打席数」が事前に決まっていることが多いです。実績がある選手でも、試合序盤から中盤で交代します。
シーズンでは余程イレギュラーなことが起きない限り、オープン戦のような選手起用は行いません。チームとしての戦い方自体が異なるため、オープン戦とシーズンの成績も変わってきます。
オープン戦とシーズンでは、選手起用が違います。
主力選手にとって調整の場
オープン戦は「主力選手にとって調整の場」です。
レギュラークラスの主力選手は、オープン戦で結果にこだわる必要はありません。オープン戦ではテーマを持って色々試します。試した結果がよくなくても、シーズンでは安定した成績を残すのが主力選手。
オープン戦は主力選手にとって調整の場なのが、シーズン成績と結び付かない要因です。
試合数の少なさ
「試合数の少なさ」も要因のひとつです。
オープン戦の試合数は、シーズンと比べてかなり少ないです。試合数が少ない場合、オープン戦の時期と、選手の好調が重なるのは珍しくありません。
オープン戦の試合数が少ないのも、シーズン成績と結び付かない要因です。
オープン戦3位の呪い
様々なジンクスが存在するプロ野球。そんなジンクスの中で、オープン戦に関するのが「3位の呪い」です。
オープン戦3位の呪い
オープン戦で12球団中3位にもかかわらず、シーズンでは下位に沈むケースが多い。また、Aクラス入りしても、歴史的V逸など悪い出来事が起こる。
年度 | オープン戦3位チーム | シーズン順位 |
2014年 | 読売ジャイアンツ | 1位(リーグ優勝→CSでは1勝もできず敗退) |
2015年 | 横浜DeNAベイスターズ | 6位 |
2016年 | 福岡ソフトバンクホークス | 2位(11.5ゲーム差を逆転され優勝を逃す) |
2017年 | オリックス・バファローズ | 4位 |
2018年 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 6位 |
2019年 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 3位 |
2020年 | 阪神タイガース(練習試合3位) | 2位 |
2021年 | 埼玉西武ライオンズ | 6位(42年ぶり) |
2022年 | 横浜DeNAベイスターズ | 2位 |
2023年 | 読売ジャイアンツ | 4位(2年連続4位でAクラスを逃す) |
2024年 | 東京ヤクルトスワローズ | 5位 |
さらに、オープン戦3位のチームをさかのぼってみると、2007年東京ヤクルト(シーズン6位)・2008年福岡ソフトバンク(シーズン6位)・2009年広島(シーズン5位)・2010年東北楽天(シーズン6位)と、4年連続Bクラスに沈んでいます。
2025年オープン戦の順位
2025年のオープン戦の順位は確定次第記載します。
順位 | チーム | 勝ち | 負け | 分け |
1 | 日本ハム | 10 | 3 | 3 |
2 | 西武 | 8 | 4 | 2 |
3 | ヤクルト | 8 | 5 | 2 |
4 | ソフトバンク | 9 | 6 | 3 |
5 | ロッテ | 8 | 7 | 2 |
6 | DeNA | 8 | 8 | 2 |
6 | 巨人 | 7 | 7 | 2 |
8 | 中日 | 6 | 8 | 4 |
9 | 楽天 | 5 | 8 | 3 |
10 | 阪神 | 3 | 5 | 4 |
10 | 広島 | 6 | 10 | 2 |
12 | オリックス | 3 | 10 | 3 |
まとめ
- 過去10年でオープン戦首位チームがAクラス入りしたのは、11チーム中6チーム
- 過去10年でオープン戦最下位チームがAクラス入りしたのは、13チーム中5チーム
- オープン戦3位のチームは、シーズンで下位に沈むことが多く、歴史的V逸したケースも
オープン戦は試合結果だけでなく、試合内容・選手起用にも注目してみましょう。今回の記事が、新たなオープン戦の楽しみ方につながれば幸いです。
→オープン戦と練習試合の最も大きな違いは〇〇だ!特徴も解説!